目次
こんな人は読んでみる価値あり!知識ゼロでも大丈夫!
- 「エッジボイス?何それ?」
- 「Youtubeの歌い方解説動画で聞いたことはあるけど、よく分からない」
- 「あんな変な声が何の意味があるの?」
そんな方も多いのではないでしょうか?でも、以下の内容に該当する方は特に、読む価値があります。
- 女性で、地声がよく分からない、低い声が出せない
- 高い声を芯のある声にしたい
- 息漏れ声に悩んでいる
- 自宅は大きい声が出せなくて、出来る練習法が少ない
- 平井堅さん、ワンオクのtakaさんなど、曲の中で使っている歌手の歌い方を真似したい
こんにちは。テノール歌手・ボイストレーナーの岩井翔平です。
「この1記事さえ読んでおけば大丈夫!」
そう思ってもらえるよう作ったつもりなので、ぜひ楽しく読んで見てください!!
私は、島根大学教育学部と東京芸術大学で、2度大学生をしました。そのため、教えるスキルと歌の専門性を両方兼ね備えています。
もしこの記事が面白いと思ったら、コンサートや体験レッスンをぜひご検討ください(オンラインレッスンも承っています)
【※注意】ネットでの情報収集&独学での練習は、あくまで自己責任で参考程度になります。
万が一痛いなどトラブルがある場合、中断してください。
自分がやっていることができているか否かのチェックを希望される方は、ぜひ個人レッスンへのお申込みをご検討ください。
それでは、エッジボイスについて解説スタートです!
エッジボイスとは?
映画「呪怨」で有名!
エッジボイス(edge voice)とは、日本のホラー映画「呪怨」でも使われた声で、日本では「呪怨ボイス」とも言われています。
これは、聴いた方が早いので、こちらをご覧んください。(サムネイルがヤバいですが、ホラー苦手の方でも大丈夫だと思います)
どうでしたか?
敢えて言葉で表すとすれば
- 「あ」に濁点のついた「あ゛あ゛あ゛」のような声
- プツプツ、ガラガラした声
といった感じでしょうか?
別名「ボーカルフライ」〜「飛ぶ」じゃなくて「揚げる」
このエッジボイスは、ボーカルフライ(vocal fry)とも言われます。
スペルをよく見てください。fly(飛ぶ)ではなく、fry(揚げる)と書いてあります。
揚げ物を揚げたときの油の音に似ているからついた名前だそうです。
しかし、この声って油を揚げている音に似てますかね?(多分ツッコんではいけない)
(ちなみに、日本ではエッジボイスという名前が有名ですが、海外ではボーカルフライが主流なんだとか)
一部アーティストたちが曲の中で用いている!
平井堅さんなど一部アーティストは曲の中で表現として使っています。
平井堅さんの代表曲「瞳を閉じて」の冒頭Aメロの部分ですが
朝目覚めるたびに 君の抜け殻が横にいる
出典:瞳をとじて/作詞・作曲 平井堅
この動画の0分45秒あたりの
「横にいる」の部分に「よ゛こ」と
少しエッジボイスが入っているのが分かります。
しかし、全てのアーティストが必ず使っているわけではありません。
槇原敬之さん、小田和正さんなどは、数曲音源を聴いてみましたが、その中では使っていませんでした。
また、私の専門の声楽ではそもそもエッジボイスという概念自体がないです。
あとで詳しく説明しますが、よく聴く歌手のマネで、無自覚にエッジボイスを入れまくっている生徒さんも見かけます。エッジボイスは入れたり、入れないで歌うのを両方自在になることが大事です。
エッジボイスのときの喉は?小学生にもわかるように解説!
まずはこちらの動画をご覧ください(外出中などで音出せない方は無音でも理解できます)
「普通の声」と「エッジボイス」を交互に出した時の喉の中の動画になります。
こちらの動画では、普通の声を「Normal Vibration(通常の振動)」、エッジボイスを「Vocal Fry(ボーカルフライ)」と表記しています。
普通の声(Normal Vibration)では何が起きている?
声帯とは「声を出すための自動ドア」
この動画は、「のどぼとけ」の中をカメラで撮影したものです。
のどぼとけは首の前側にあるボコっと飛び出ているところです。
声の低い男子はよくわかると思います。女性は分からないこともあります。
動画の中央に見える、2枚の白いヒダを「声帯(せいたい)」と言います。
声が出るときは、この声帯を「閉めすぎず開けすぎず、ちょうどいい感じに」近づき、そこに息を送られ、声帯が超高速で振動し、声の元の音が出来ます。
だから、声帯とは「声を出すための自動ドア」だと思ってください。
この「ちょうどいい感じに自動ドアを近づける」は、言葉ではよく分からないと思うので、動画を見てみてください。(Normal Vibrationと画面に表示されているとき)
声帯とは「息が出入りする自動ドア」
また、この声帯は、息を止めているとき完全に閉じます※。
そして息を吸っているときも、吐いているときも声帯は「V」の字で開いています。
つまり、声帯は息が出入りする自動ドアでもある、ということです。
では、声帯の向こう側は、どうなっていると思いますか?
動画では奥に管が伸びているように見えると思いますが、これが気管です。
ということは、その更に奥には肺があります。
(※【少し詳しく正しく】息を止めるとき、声帯を閉じて息を止める方法だけではなく、声帯を開いたまま息を止める方法もあります。つまり、声帯を完全に閉じている時は、絶対息も止めています。しかし、息を止めている時に絶対に声帯が閉じているとは限りません。)
エッジボイス(Vocal Fry)では何が起きている?
この自動ドア、つまり声帯の周りの筋肉を、2つだけおさえておきましょう!
①声帯を閉じる筋肉「※閉鎖筋(へいさきん)」
②声帯の中にある、地声っぽくする筋肉「声帯筋」(名前そのまんま!!)
(※【少し詳しく正しく】本当は閉鎖筋という名前の筋肉が1つあるわけではありません。声帯を閉鎖する役割の筋肉はいくつかあります。それらのことをまとめて「閉鎖筋群」とグループで言うことが多いです。)
エッジボイスを出している時は、閉鎖筋がしっかり働き、声帯筋は緩んでいると言われています。
動画をもう一度見てみてください!「Normal Vibration」の時より、自動ドアがしっかり閉じています。
後に詳しく説明しますが、息漏れ声の人や、地声が分からない女性はこの閉鎖が弱いことが原因だったりします。
だから、あらゆるメリットがあるトレーニングなんです!
まとめると・・
多すぎ!エッジボイス7つのメリット
1.リラックスの感覚のヒントになる
このエッジボイスですが
「ものすごく喉に力を入れて、詰めて出している声なんだろうなぁ〜」
と思われることが多いです。
しかし、実際は、喉周りがリラックスしないと上手く行きにくい声なんです。
練習する方もここを押さえただけで出来るようになるケースもあります。
また、前項で「閉鎖筋は働くけど、声帯筋は緩む」と説明しました。実は、これめっちゃすごいことなんです!!
ボイストレーニングされていない人が声帯をしっかり閉じようとすると、閉鎖筋が働くと声帯筋に過剰に力が入ってしまうことが多いです。
しかもそれだけでなく、喉周りのあらゆる筋肉にも一緒に力が入ってしまい、力んだ声になってしまうことが多いのです。
そう言う方に「もっとリラックスして歌いましょう」とだけ指導すると、どうなるでしょう?
今度は閉鎖筋まで過剰に緩んでしまい、腑抜けた声を出してしまいます。
しかし、エッジボイスでは、閉鎖筋はしっかり働くのに、他の筋肉が連動せずに緩んでいます。だから、力んで声を出す人にいいトレーニングになるのです。
2.息漏れ声が改善する
声帯の動画を参考にしながら想像して欲しいのですが、息漏れ声の方と言うのは、声帯の閉鎖が弱すぎて、声帯という自動ドアの隙間からたくさん息が漏れてしまっています。
エッジボイスを練習することで、その開きすぎた声帯を「ちょうどいい感じに近づける」感覚を掴めるかも知れません。
3.地声や低い声のヒントになる(特に女性)
女性の中に、低い声がすごく苦手だったり、地声が分からない、全く出せない方が一定数います。
そう言う方には、エッジボイスはとっても相性がいいトレーニングです。
これも息漏れ声と同様で、閉鎖がしっかりしないので、低い声で弱々しい裏声のようにカスれて出ないと言うことが起きます。
エッジボイスを上手く利用したら克服できるかも知れません。
4.ミックスボイスのヒントになる
ミックスボイスの習得法にも色々ありますが、私の周りで何人か、こんなことを言う歌手がいます。
「裏声+エッジボイスでミックス掴めるよ〜」
ちょっと説明が物足りないと思いますが、ここは深めると長くなるので、割愛します。弱々しい裏声をもっとしっかりと出したい人にもヒントになるのがエッジボイスです。
5.防音物件じゃなくても練習できる
これはできるようになれば分かりますが、エッジボイス自体はすごく小さな音です。
音出し可能な物件に住んでいない人でも練習できます!
6.表現の幅が広がる
曲の中にエッジボイスを使う歌手がいるように、あなたにもその選択肢が広がります。
ただし、なんとなく、クセでエッジボイスを入れてしまう方も多いです。
エッジボイスは入れたり、入れずに歌ったり両方コントロールできることが大切です。
ただのクセでエッジボイスを入れると、聴いている人にもよく考えずに入れていることがバレたり、エッジボイスが多すぎてくどく思われます。
7.ウォームアップ・クールダウンになる
朝起きたては体が起きていないので、いきなり大きな声を出したりすると、過剰に力を入れようとしてしまったりします。
エッジボイスは閉鎖筋だけが働きやすい声で、他の筋肉が一緒に働きすぎることがありません。
なので、エッジボイスからやってもいいかも知れません。
また、たくさん歌って声帯が疲れたとき、エッジボイスは声帯のマッサージになる※ので、出なくなってきた声が復活することもあります。
これは私の体験ですが、結婚式場で歌う仕事で、一日に7件も8件挙式があった時のことです。
後半の挙式になってくると低い声が少し出にくくなってきていました。
そんなとき、エッジボイスを合間にやって、低い声が復活したことがあります。
(※【もう少し詳しく正しく】声帯のマッサージ効果があると言っている記事がいくつかありましたが、根拠がよく分かりませんでした。私の仮説をここに記載します。
脱力したままブルブル全身が振動するマシンに乗ると、気持ちいいですよね?そんな感じで声帯筋はリラックスした状態で、エッジボイスで声帯に振動が起きるから、それと同じことが起きているのではないか、と岩井は仮定しています)
具体的な出し方、応用の仕方は後編の【実践編】で!
この記事の後編にあたる【実践編】で、具体的な練習方法を紹介しています。
サンプル音声付きで、全く出来ない人ができるようになるところから、曲の中で用いる方法まで紹介しています。
運動初心者がジムに通う感覚で、初心者から通えるボイトレ
いかがでしたか?少しでもお役に立てれたら幸いです
当サロンでは、体験レッスンを実施しています。初心者の方からプロ歌手まで、幅広くレッスンに通っています。
よく「ボイトレはプロを目指す人が通うイメージ」と言われます。
しかし、ジムにはボディービルダーだけでなく、一般の方も多く通っているように、ボイトレも気軽に通う場所であって欲しいと願っています。
外見ほど気を遣っている人が少ないからこそ、一歩リードできる
声は、磨けば一生使えるもの。外見と同じくらい、相手からの印象に関わります。
外見に気を遣っている人は多いですが、声に気を遣っている人はまだ少ないです。
だから声を磨くだけで、一歩リードすることが出来ます。
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