目次
全くできない人が、曲の中で使えるようになるまでの方法を詰め込みました
- 「エッジボイスについてYoutubeで見たけど、全くできない…」
- 「エッジボイスはできるけど、それをボイトレに活かす方法がよく分からない。」
- 「エッジボイスを曲の中で使ってみたい」
この記事に辿り着いたあなたは、こういった疑問を持っているのではないでしょうか?
今回、そんなあなたに、【実践編】として記事を作成しました。きっとあなたの役に立つことでしょう。
また、この記事は初の音声サンプル付きになります!
どうしても文字だけで伝わりにくい部分があるので、そちらは音声を聴きながらお読みください。0
「その前に、そもそもエッジボイスって何なの?」という方は、まずこちらの【理論編】からお読みください
改めて、こんにちは。テノール歌手・ボイストレーナーの岩井翔平です。
私は、島根大学教育学部と東京芸術大学で、2度大学生をしました。そのため、教えるスキルと歌の専門性を両方兼ね備えています。
もしこの記事が面白いと思ったら、コンサートや体験レッスンをぜひご検討ください(オンラインレッスンも承っています)
【※注意】ネットでの情報収集&独学での練習は、あくまで自己責任で参考程度になります。
万が一痛いなどトラブルがある場合、中断してください。
自分がやっていることができているか否かのチェックを希望される方は、ぜひ個人レッスンへのお申込みをご検討ください。
全く出来ない人が出来るようになる2つの方法
「『エッジボイスやり方大全』と銘打っておきながら、練習法2つは少なくない?」と思われたかもしれません。
確かに、練習法自体は少ないです。しかし、これに後に紹介する「7つのコツ」を組み合わせて練習してみてください。
きっとあなたに合った練習法が見つかるでしょう。
- 息を吐く→息を止める→エッジボイス
- 少しずつ音を下げて、最低音に挑戦する方法
それでは、ひとつずつ見ていきましょう
1.息を吐く→息を止める→エッジボイス
手順① 息を「ハー」と吐きます。
このとき、喉の奥で露骨に息の音を立てる感じではなく、寒い冬に自分の手のひらを温めるような感じで吐きましょう。
その方が、気道が広いまま息を吐いている状態になれ、喉のリラックスが掴みやすいと考えられます。
手順② 息を止めます。
空手選手がパンチをしながらドスの効いた声を出すイメージで「はっ!」と、息を止めましょう。
すると、より声帯で息を止めている感覚が感じやすいです。
※「息を止めると声帯が閉じる」という話は、理論編で詳しく解説しています。
手順③ エッジボイスを出す
息を止めた感覚を保ったまま、少しずつ息を漏らす感覚で自分の一番低い音を、すごく小さく出す感覚です。
2.少しずつ音を下げて、最低音に挑戦する方法
このようにキーボードなどを使用しながら、1つずつ低い音を出していく方法です。
リラックスしながら、自分が出せる一番低い音より、さらにひとつ低い音を目指すつもりでやってみましょう
うなり声になっていませんか?
このとき、多くの方がエッジボイスではなく「うなり声」になってしまうことが多いです。
エッジボイスは「あ゛」の音のひとつひとつが粒のように独立していてつながっていない感じです。
サンプルの音声を聴きながら、出来ているかチェックしてみましょう。
エッジボイス成功のための7つのコツ
0.【理論編の復習】エッジボイスは、閉鎖筋が働き、声帯筋が緩んだ時に上手くいく
「声を出すための自動ドア」であり「息が出入りするための自動ドア」である声帯というものが、「のどぼとけ」の中にあります。
その声帯を閉じる筋肉を「閉鎖筋」、声帯の中にある、地声っぽくする筋肉を「声帯筋」と言います。
エッジボイスは、①閉鎖筋が働き(声帯が閉じ)、②声帯筋が緩んでいると上手くいくと説明しました。
これから紹介する7つのコツはこちらが根拠になっていることが多いです。
そのためこの記事でも「閉鎖筋」「声帯筋」という言葉を使っていきますので、分からない方、詳しく知りたい方は、こちらの理論編をお読みください。
※正確には、閉鎖筋という筋肉があるわけではなく、いくつかの筋肉が声帯を閉鎖する役割を持っています。ここではエッジボイスの解説に重点を置いているので、多少正確さを欠いて「閉鎖筋」として紹介しています。
1.最小限の息の量で、最低音を出す
これが最重要です。
エッジボイスを出すには、息の量が少ない必要があります。
もはや「息の量を減らそう」というより「必死に息を止めているのに、息が漏れ出てしまった」
という感じです。
また、息の量を減らすことは、音量を減らすことでもあります。
だから、いきなり爆音エッジボイスを目指さないのもポイントです。自分にしか聞こえないエッジボイスを目指すといいです。
(ただし「小さい声=ヒソヒソ声」とイメージしないでください。ヒソヒソ声は閉鎖筋まで緩むので、ふさわしくありません。)
また、エッジボイスには、声帯筋の緩みが必要です。
実は、最低音を出すときも、声帯筋の緩みが必要になってきます。
だから、最低音を出すつもりでやると、エッジボイスも成功しやすいです。
特に女性で、低い声を出すこと自体を恥ずかしがっているケースもあるので、恥も覚悟で、低い声を出そうとしてみてください。
2.色んな母音で試す
エッジボイスには、「あいうえお」の母音の区別が存在します。
こちらを聴いてみてください。
なんとなくエッジボイス=「あ゛」というイメージですが、それで上手くいかなければ他の母音で試してみてください。
特に、舌の奥に過剰な力が入りやすい方は「い」「え」でやってみることをお勧めします。
実際私の生徒でも「い」「え」ではエッジボイスができるのに、「あ」だと出来ない方が多くいらっしゃいました。
3.舌を出しながらやってみる
私がレッスンをしていて感じるのは、
声を出すときに、舌に過剰に力が入っていたり、舌の動きが悪い方は、エッジボイスが上手くいかないことが多いように思います。
そもそも、声を出すときに舌がどうなっているか考えたこともない方が多いと思います。
そんなあなたは、一度試しに舌を出しながらエッジボイスを出してみましょう。
このとき、
- 舌の中央が凹まず、むしろ真ん中が少し高い形になっている
- 舌の先が尖らず、丸くなっている
- 舌全体が細くならず、横幅が広いまま
などを気をつけましょう。
エッジボイスを出しながら、形が乱れたり、舌が引っ込もうとしていないかチェックしてみましょう。
どうしても力が入る方は、舌を出したまま、ガーゼやハンカチなどで舌を手でつまんで声を出してみましょう。
このとき、手で無理やり引っ張るのはやめましょう。あくまで優しく舌をつまむだけです。
4.寝起きにやってみる
寝起きのとき、やたら声が低かったり、ガサガサしていることはありませんか?
こういったことから、エッジボイスは朝やりやすい可能性があります。
5.吸いながらエッジボイスに挑戦してみる
実は、息を吸いながら声を出すことも可能です。これを「吸気発声」と言います。
吸気発声だと、声帯筋をはじめ、喉周りの筋肉の力を入れずらく、エッジボイスが成功することがあります。ぜひ試してみましょう。
6.重たいものを持ちながらやってみる
人は踏ん張ると、息を止めることが多いです。
例えばトイレで踏ん張っているとき、筋トレをしているときを想像してみてください。息を止めていませんか?
復習になりますが、声帯は「息の通り道としての自動ドア」でもあります。だから息を止めている時は、閉鎖筋がしっかり働き、声帯は閉じています。
エッジボイスは閉鎖筋がしっかり働くことが大切なので、重たいものを持つことが閉鎖筋の働きを助けてくれる、というわけです。
7.モノマネだと思ってやってみる
ここまで理論的に説明したり、コツを細かくお伝えしてきました。
しかし、それでもダメな場合、一度ここまで読んだ内容を全部忘れるくらいの勢いで、頭を空っぽにして、モノマネしてみる気持ちで挑戦してみましょう。
実は、歌やスポーツは、頭の中が理論や考え事でガチガチになると、余計にうまくいきません。
理論はすごく大切ですが、理論だけで歌を攻略しようと思うと、水中に入ったこともないのに泳ぎ方の本を何冊も読んでいる人のようになるでしょう。
小さい子どもが色んな声をふざけてモノマネするような、それくらいの気持ちでモノマネしてみましょう。
私たちは、しばらく関西に住んでいると自分も関西弁なまりになったり、友人の口癖がいつの間にかうつっていたりするように、人間は言葉や声を真似する力をものすごくもっています。
本来持っているマネする本能を目覚めさせ、取り組むことも大切です。
エッジボイスを利用した練習法
エッジボイスのロングトーン【初級】
エッジボイスをちょっとだけなら出せる!という方は、ロングトーンに挑戦してみましょう。
ロングトーンとは、同じ高さの音を一定の音量のまま伸ばす練習です。
(音量を一定に増やしたり、減らしたりするロングトーンもあります。しかし、そのときもあくまでそれも一定に増やしたり減らしたりします。)
この時エッジボイスが部分的にうなり声になってしまう方は、そうならずにロングトーンできるのを目指してください。
ロングトーンは、息を安定させられていることも条件なので、どうしても上手くいかない方は呼吸から見直してみるといいかもしれません。
エッジボイス→地声【中級】
まずエッジボイスを出し、そこから地声のロングトーンに移行する練習です。
いきなり大きい声でやると失敗するので、小さめの声で少しずつ移行してみてください。
このとき、地声とエッジボイスの間に空白がなく、グラデーションで移行する感覚を目指しましょう。
どうしても上手くいかない場合、エッジボイスのとき喉に力を入れすぎているかもしれないので、ゆるくエッジボイスしようと思うと上手くいくかもしれません。
特に女性で、そもそも地声がよく分からないという方はとにかく低い声で練習してみましょう。
エッジボイス→裏声【中級】
まずエッジボイスを出し、そこから裏声のロングトーンに移行する練習です。
これも同様、まずは小さい声から練習してみましょう。
裏声に移行したときもエッジボイスの感覚が残っているものを目指してみましょう。
そもそも裏声が出せない!という方は裏声の練習から始めてみるといいと思います。
※裏声、ファルセット、ヘッドボイスなど細かい言葉の使い分けがあると思いますが、ここでは裏声という言葉を使用しています
エッジボイス→地声→裏声→地声→エッジボイス【上級】
上記のような順序の声を、サイレンの音のように音をスライドして高くしていき、低くしていくエクササイズです。一息でこれをやります。
だんだん、声の出し方がどれも似てくる感覚を目指してください。
私の知り合いの歌手で、この出し方で高音を掴んだ人もいます。
表現力アップ!曲の中でのエッジボイス活用法
ここからは、エッジボイスを曲の中で用いて、表現力を上げていきましょう。
よく誤解されている部分も多いと思うので、考え方をしっかり理解しましょう。
【最重要】曲の中でエッジボイスを入れる前にやって欲しいこと
それはズバリ、曲の中に全くエッジボイスを入れずに歌えるようになることです。
「エッジボイスのブログなのに、エッジボイスを入れない練習?」と驚かれたかもしれません。しかし、これが最重要になります。
なぜかというと、エッジボイスを入れるのが癖になってしまっている人も多いからです。
本人は無意識でも、全ての歌い出しにエッジボイスをつけてしまっています。
この癖がある人は、エッジボイスを入れる頻度が高い歌手の影響を強く受けているケースが多いです。
ここでひとつ、重要なことをお伝えします。
それは、本当の素晴らしい歌手というのは、エッジボイスを入れられる歌手ではなく、エッジボイスを入れることも入れないことも出来て、自在にコントロールできる歌手です。
つまり、表現と癖というのは全く違うもので、癖でエッジボイスをするのではなく、ちゃんと表現になっているか?を考えてください。
難しく考えすぎる必要もありませんが、「とりあえずエッジボイスかけまくればカッコイイ」みたいな短絡的に考えないようにしましょう。
よくエッジボイスが入る場所
- 歌い出しや、単語の頭
- 歌い終わり
- 音が跳躍するところ(上にも下にも)
3番目の「音が跳躍するところ」というのは、音が急に高くなったり、急に低くなったりするところです。
こういうところにエッジボイスを適度な量で入れてみるといいでしょう。
エッジボイスを入れている歌手を聴いて研究するときの注意点
タイトルの答えはズバリ、本人もどこで自分がエッジボイスを入れているか、把握しているとは限らないということです。
今はYoutubeで歌い方解説動画が多く存在しています。その中で「この歌手は、ここの部分でエッジボイスを使っています」という解説されていたりします。
しかし、だからといって、その歌手はいつもそこでエッジボイスをかけているとは限らないのです。
もし、同じ曲のライブ版の演奏があれば、試しに聴いてみてください。エッジボイスを入れる場所が増えていたり、減っていたりします。
本人がエッジボイスを入れているから、ここには絶対入れなきゃいけない、ということはありません。
また、CDの音源というのは、その歌手にとっても、まだその曲の歌い方の正解が見つかっていないことが多いです。
CDで発表してから、ライブで歌い続けたり、その後練習を重ねることで、より良い歌い方や表現を見つけることもあるはずです。
なので、「CD音源ではここでエッジボイスを入れてるから、これが標準だ!」と考える必要もないでしょう。
あなたもエッジボイスをマスターして歌をもっと楽しもう!
運動初心者がジムに通う感覚で、初心者から通えるボイトレ
いかがでしたか?少しでもお役に立てれたら幸いです
当サロンでは、体験レッスンを実施しています。初心者の方からプロ歌手まで、幅広くレッスンに通っています。
よく「ボイトレはプロを目指す人が通うイメージ」と言われます。
しかし、ジムにはボディービルダーだけでなく、一般の方も多く通っているように、ボイトレも気軽に通う場所であって欲しいと願っています。
外見ほど気を遣っている人が少ないからこそ、一歩リードできる
声は、磨けば一生使えるもの。外見と同じくらい、相手からの印象に関わります。
外見に気を遣っている人は多いですが、声に気を遣っている人はまだ少ないです。
だから声を磨くだけで、一歩リードすることが出来ます。
初めはとても緊張すると思いますが、優しく丁寧にレッスンします。お問い合わせは下記のLINEか、お問い合わせからどうぞ!
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